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「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」レビュー 最低最悪の駄作

「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」レビュー

スコア

IMDbの評価に関しては、これら超人気シリーズ系海外作品には、必ず熱狂的かつ狂信的ファンが多数ついているため、IMDbのような国際的大型レビューサイトの評価(平均スコア)が比較的高得点になってしまう傾向がある。

本作に関してもIMDbの評価と内容が必ずしも釣り合っているわけではない可能性がある事を予め留意しておいてほしい。 

良い点

  • わずかながらも存在したごく一部の魅力的なキャラクターたち

悪い点

  • 本家の世界観をぶち壊す、数え切れないほどの矛盾点
  • シーズンを追うごとに低下していくゾンビのクオリティー
  • あまりにも非現実的過ぎる人間の心理描写
  • 吐き気を覚えるほど魅力のかけらもないメインキャラクターたち
  • ストーリーにおいて本家との関連性があまりに少なく、スピンオフとしての意義が無さすぎる

総評

本作は、世界的に人気を博した「ウォーキング・デッド」シリーズのスピンオフ作品。全8シーズンから成り、本家「ウォーキング・デッド」に登場したキャラクターたちのその後なども描かれているのが特徴。

しかしこの作品、言葉で表現できないほど内容が酷過ぎて、筆者も歯を食いしばりながら何とか堪えつつも視聴を続けたが、シーズン7で脱落した。本来なら全シーズン見てから評価すべきだが、あまりの嫌悪感溢れる内容に視聴を続けられなかった事を許して欲しい。

この作品にも良い点がないわけではない。アルやジョン、サラ、ウェンデルなどは個性的かつ魅力的で、キャラクターとして成功しているのは間違いない。その他にも平凡的ではあるが失敗とは言えないキャラクターたちがいるのも確かだ。

しかし本作「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」には悪い点があまりにも多過ぎて、しかもその内容もあまりに酷過ぎる。

本家「ウォーキング・デッド」の世界観すらぶち壊す矛盾点の数々。一体誰が共感できるんだと思えるような頭がおかしいだけの序盤のメインキャラクターたち(しかも軌道修正のため、キャラクターの性格に強引な変更が加えられるも失敗。中盤以降には、そのほとんどが降板という始末)。

不評な内容に製作費が削減されたためか、ウォーカー(ゾンビ)のクオリティーもシーズンを重ねるごとに低下し、エピソードによっては「あからさまな着ぐるみ感」が出ることも度々あった。

筆者が脱落したシーズン7に至っては、人間の心理的に例えどれだけ狂っていてもまずあり得ないというような滅茶苦茶な心理描写が見られたり、吐き気がするような所業の悪役が何のお咎めもなく主人公たちと行動を共にするなど、ずさん極まりない展開まで見られた。

そんな本作「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」の視聴率は、当然の如く瞬く間に低下していった。シーズン1の第一話では1000万人以上いたとされる視聴者も、シーズン2の最終話ではおよそ300万人と、既に3分の1未満にまで激減。筆者が脱落したシーズン7の最終話時点では、視聴者はたった70万人程度。シーズン8での終了は、事実上の打ち切りである事は疑いようもない。

※データは米国内におけるもの(データ引用元 List of Fear the Walking Dead episodes

はっきり言って、本作は正常な精神状態にある人はまず見ていられないだろうし、「苦痛を伴ってでも全シリーズを観たい」というようなウォーキング・デッドフリークでもなければ、絶対的におすすめできない。本音をさらけ出すならば、見る価値のない最低最悪の駄作であると言っていいだろう。